映画感想「トレイル・オブ・ザ・ピンクパンサー(ピンク・パンサーx)」
ピンクパンサー4の続編で、ピーターセラーズ亡き後の追悼作。
3度目のピンクパンサーの盗難が発生。ルガシュの首脳は再びクルーゾーに捜査を依頼する。早速捜査に着手したクルーゾーだが、捜査の途中で彼の乗った飛行機が行方知れずになってしまう。彼の消息を追うニュースキャスター、ジュヴェは関係者たちを取材し始めるが…という感じのおはなし。
キャラクター ★★★★☆ つらい
ストーリー ★★★☆☆ つらい
全体的に ★★★☆☆ つらい
オススメ度 ★★★☆☆ つらい
以下ネタバレ感想。
ピンクパンサーシリーズにどっぷり浸かり、皆さんに愛着が湧きだした頃に観たためダメージがあった。つらい。けっこう感情的な記事です。ケイトーのインタビューのとこで無性に悲しくなった。よくない。
セラーズ追悼作ということで、冒頭に彼へ向けてのクレジットが表示される。「唯一のクルーゾー警部、ピーターに捧ぐ」。すでにつらい。
過去作の未公開シーンを繋ぎ合わせたクルーゾーのシーンと新規撮影のシーンを組み合わせて序盤のストーリーは進む。苦し紛れ的ではあるが一応話の流れには整合が取れてる。多分。しかし米をこぼしながら家に辿り着いてもケイトーとの新規ラウンドは見られないわけで、寂しい。つらい。ケイトー戦の未公開シーンはないんか。ないよな。
なんやかんやあってっていうか半ばドレフュスのおかげでルガシュに送り込まれ、クルーゾーは消息を断つ。そこからは女性記者ジュヴェの取材パートになり、ドレフュスやケイトーはもちろん過去の共演者たちへのインタビューが当時の映像を交えて繰り広げられる。ほぼ総集編なんで前作たちを見たばっかだと若干退屈か。そしてインタビューがまあリットン卿やらエルキュールやらにまで及ぶ。エルキュールの設定生きとったんかワレ!なおタッカーはいなかったもよう
これが没シーン公開と併せてのただの総集編ならよかったのにと悔やまざるを得ない。セラーズが故人じゃなければ目を痙攣させながら行方不明のクルーゾーの人柄を語るドレフュスを見て笑えたのにな〜〜〜つらい。共演者たち全員に、「クルーゾーを心配する」じゃなく「セラーズを悼む」という雰囲気がなんとなくあり、なんかもうつらい。4は完全に死んだ設定だったのに行方不明設定の今作の方が重いのか…
3の皆さんは当然出てこずというか、4の時点で3はすでに正史の世界ではない扱いのようだ。
どうでもいいけどそうなると暗闇で〜も正史じゃないと思うんだが、エルキュールが登場しマリアにも言及してるとなると正史なのか…?こんなん考えてもしょうがないけどね。むしろ世界線がごっちゃと考えれば今作も正史でない説でいけるのでは?
すごいどうでもいいけど3の世界が継続した場合ってドレフュスがクルーゾーの前から永遠に消え去ることになるんで今作と逆なんだな。でもクルーゾーってドレフュスのこと全然気にしなさそう
好きか嫌いかで言ったら好きです。シリーズとして長らく生き続けたフィクションの登場人物っていうのは本当にキャラが立ってて、実在するかのように一人歩きができるから、ただ喋るだけでも魅力的。その存在だけで。コメディの世界ってやっぱキャラありきだしね。ストーリーなんてのは繋がりがわかってると嬉しい小ネタみたいなもんでしょう。だからストーリーが薄くたってキャラが会話し続ければそれだけで面白い。これみたいに長く続いた作品じゃなきゃ成り立たない面白さだけど。
でもコメディ映画として考えたらやっぱりダメな気がする。なぜなら笑えないから。暗闇で〜の頃から倫理をブン投げて人の死で笑いを取ってきたくせに今更人命を尊ばれても困るよ。困らない?困るでしょ。困ったよ。狂気のドレフュスを見習ってもっと死を軽んじてくれ。コメディならコメディらしくやってくれたのむ!これ絶対コメディ観た後になる気持ちじゃないからな!
そりゃピーターセラーズともあろうコメディアンが死んだら追悼作の一つや二つ作りたくなるのはわかるけど困る。いつものノリのストーリーを踏襲しつつ隠しきれない寂しさが作品全体に漂ってるもんだからほんと困る。ハーバートロムがピーターセラーズを悼むのはいいけどドレフュスにクルーゾーを悼まれたら困る。つまんないわけじゃないし好きだし気持ちもわかるけど観てて言い知れぬ困惑に苛まれてしまう…。自分がセラーズに入れ込みすぎてるだけかな。
いつも殺したがってるくせにいざ本当にいなくなったら悲しくなるって何だ同人誌か?ドレフュスは本当に正真正銘クルーゾーを殺したがってる所が魅力なのでは、、、気持ちはわかるしわかるのでだったら追悼作なんか作らない方がいいのでは、、、、これ作らんでも4のラストが「クルーゾーは死なず」でシメてるんだし4が最後でもけっこうまとまりよかった気がする。
コメディとして観たこっちが間違ってた説もあるな。
あと皆さんの老いを感じた。ディスク5枚2週間足らずで観た人間が言うのもアレだが。ケイトーなんか若いイメージだったけどもうこの頃バートクウォークは50代だもんな。暗闇でドッキリなんか観直すとドレフュスすごい若いっていうか細いし。フランソワはあんま変わらん気がする
ケイトーが暴れるとこが見られたのもまた電話取ってくれたのも嬉しかったけどけどセラーズの不在をより強く感じた。そんな新キャラと戦われたら余計いない感じがするだろやめろ!
父親のシーンとかもあったけどやっぱりなんか違うなというか、自分がセラーズを好きすぎるだけなんだろうけどダメですねという感じだった。細かいこと言うんなら、いつもクルーゾー他いつもの皆さん+αで成り立ってた世界なのにいつもの皆さんがどこにもおらずαの皆さんだけでの会話だからつまんなかったんだと思う。
しばらく経ってからまた観たらまた感想も変わるかな?今ちょっと感傷的すぎる。とりあえず続編もあるらしいのでそっちを一応楽しみにしようかな。